写真コンペティション(国内編)

メディアの発達に伴い、写真の発表形態の可能性も年々幅広くなってきています。また、ひと昔前は限られていたコンペティションも、時代にあった新しいものも出てきています。

本記事では、日本国内の新旧の写真コンペティションをご紹介します。

キャノン 写真新世紀

写真新世紀」は、写真表現の新たな可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援を目指す文化支援プロジェクトとして、キャノンにより運営されています。創立は1991年のと比較的新しく、以来、テーマや作品形態、点数、国籍、年齢などを問わず、広く作品を募集し、優れた写真家を世に送り出してきました。

受賞作品展の開催や受賞作品集の制作、ウェブサイトでの情報発信など受賞者の育成・支援活動を総合的に行っています。

木村伊兵衛写真賞

「写真界の芥川賞」と評されることもある木村伊兵衛写真賞は、日本を代表する写真家であった故・木村伊兵衛 (1901-1974)氏 の、戦前・戦後を通じた日本の写真界の発展に対する貢献と業績を記念し、1975年に朝日新聞社によって創設されました。

毎年1月〜12月までに雑誌等の媒体や写真展などで発表された作品を対象とし、写真創作、発表活動において優れた成果をあげた新人に贈られます。受賞発表・選考内容等は毎年3月発行のアサヒカメラ誌(朝日新聞出版発行)に掲載されます。

応募は年齢を問わず可能です。上記のキャノン 写真新世紀もですが、多くの写真賞は35歳まで等、年齢制限が設けられていることも多いので、これは柔軟な募集範囲だといえます。

著名な写真家を数多く輩出しており、日本における若手写真家の登竜門のような存在のコンペティションです。

ヤング・ポートフォリオ

最後にご紹介するのは、清里フォトアートミュージアム主催のヤング・ポートフォリオ(YP)です。応募対象は世界の若手写真家のインターナショナルなアワードです。ヤング・ポートフォリオは、毎年35歳以下を対象に写真への情熱にあふれ、表現意欲の高い作品を募集しています。

特筆すべき点は、受賞作品が同館のパーマネントコレクションとして購入されることです。つまり、受賞作品は美術館所蔵ということになり、展示を通して半永久的に支援されるのです。美術館主催ならではの支援方法ですね。

35歳になるまでは、何度でも応募可能です。

*フィーチャー画像は ”苅部太郎 KARIBE Taro Saori, 2016” こちらよりお借りしています。